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SPDスリム中間水切り

デザイン要素を統一して雨仕舞を構築
ノイズレスな佇まいを演出する水切り

SPDスリム中間水切り

株式会社ポラス暮し科学研究所
ポラス株式会社 購買部・技術部、
株式会社住宅資材センター、株式会社ハウゼコ

プロデューサー:株式会社ポラス暮し科学研究所 小見 豊、株式会社住宅資材センター 平塚 潤
ポラス株式会社 豊崎 巧麻、栗原 聡
ディレクター:株式会社ポラス暮し科学研究所 阿部 健、株式会社住宅資材センター 古川 隆功、
ポラス株式会社 小林 久人
デザイナー:株式会社ポラス暮し科学研究所 小島 明子、山本 峻平、株式会社住宅資材センター 新井 脩介、鈴木 翔也、
ポラス株式会社 金田 正人、荒 和英

建物の耐久性・資産価値向上と街並みの経年美化に寄与する
スリムタイプの中間水切り

概要

異なる役割を担う水切りのデザイン要素を統一し、シーリングレスの雨仕舞を構築することで美しい佇まいを創出するスリムタイプの中間水切りです。オーバーハング水切りとの連結が可能で多様な意匠を実現するとともに、建物の耐久性・資産価値向上と街並の経年美化に寄与します。各役物を整備することで現場加工を削減し、生産性向上と均一な品質確保に貢献します。

従来、オーバーハング水切りと中間水切りの接点には隙間が生じており、シーリングに頼った雨仕舞となっていました。双方のデザイン要素を統一し「連結役物」を実装することで、設置面の異なる水切り接点における防水性能を確保しています。それに加え、本製品は、雨仕舞と防火性能を担保するインクルーシブな本体一体設計となっています。また、連結役物をはじめとする各役物を設定することで、経験の少ない施工者でも技術差を生じさせずに容易に施工でき、省施工化と均一な品質確保、確実な性能担保を実現しています。
意匠性、機能性、施工性それぞれが向上し両立するデザインとなっています。

デザイン要素を統一して雨仕舞を構築し、ノイズレスな佇まいを実現するスリム中間水切り

特徴
役割の異なる水切りのデザイン要素を統一しノイズレスな佇まいへ
雨仕舞を構築し意匠性、機能性、施工性それぞれを向上
オーバーハング水切りとの接点は「連結役物」により
防水性を確保しつつスッキリ一体化して納めることが可能
一枚の鋼板から折って成形する各種役物により
省施工化と均一な品質確保、確実な性能担保を実現
背景
建物の耐久性向上や長寿命化が求められる中、建築で発生する漏水は外壁に起因する事象が20%といわれ、雨仕舞の重要性と高い防水性の確保が課題となっている。また、洗練された佇まいでは、水切り等サブパーツにも意匠性が求められ、機能性とデザイン性の両立が重要となっている。多様な外観スタイルを提供する中で、サイディングを上下に張り分ける意匠が増加し、中間水切りとオーバーハング水切りとが干渉する事案が発生するようになった。役割の違う各水切りは、形状も取付位置も異なるため両部材の接点には隙間が生じるが、雨仕舞はシーリングのみに頼ることとなり、経年の漏水リスクが問題となった。問題を解決するとともに役割の異なる各水切りのデザイン要素を統一することでデザイン性を向上できないかと考えた。加えて、近年の施工者不足の改善、職人の技量に左右されることなく品質確保できる製品の開発に取り組んだ。
デザインのポイント
①異なる役割を担う水切りのデザイン要素を統一し、雨仕舞を構築することでノイズレスな佇まいを創出
②「連結役物」の実装により、設置面の異なるオーバーハング水切りとの接点における防水性能を確保
③性能を担保するインクルーシブな本体に加え、各役物の設定により省施工化と均一な品質確保を実現
経緯とその成果
先に開発したオーバーハング水切りは、雨水から建物を保護することを考えて軒天材の雨水が伝わらない形状としており、それを踏襲しつつ、雨垂れ汚れを防止し確実に水を切るために、標準となる外装仕上面から15mm突出する寸法とした。防火性能を確保するためには外装との掛代20㎜が必要だが、外観のデザイン構成に配慮して見付は16.5㎜とし、本体1つで確実に防火性能を担保するため、裏板一体の形状を採用した。また、雨水侵入を防止する止水材を本体に接着させ、現場でのシール処理を不要としている。中間水切りとオーバーハング水切りとの接点には、隙間の発生を解消し両水切りを連結させる役物を開発した。隙間をシール処理することなく防水性能を確保し、長期にわたり性能を維持できる。更に、これまで現場加工で納めていた出入隅やジョイントも役物を揃え、工場生産品とすることで容易に施工できるものとなった。
審査員評価
このような製品ではデザイン性と機能性のバランスが重要であり、機能を優先し過ぎることで意匠面が破綻する、またその逆も多く見受けられるが、本製品では施工性含めて両立させている点が評価できる。特に住戸ごとに違う条件・形状であるので、出隅・入隅やジョイントが重要になるが、ガルバリウム鋼板のそれらのパーツを一枚の板から折って成形することで、漏水リスクを軽減させ、構築している。また、商品と直接的なことではないが、責任一貫施工体制という仕組みもクライアントや所有者にとって安心を与えるという点で評価できる。